高校時代。私は野球部でした。
当時、部室はありましたが狭かったため、3年生が使用。1・2年生は少し離れたプレハブ小屋のようなところで着替えをしていました。
ある日、練習も終わり、プレハブ小屋で着替えをしていた時、チームメイトの一人が、壁にホコリまみれの学ランがかかっている事に気づきました。
よく見ると、奥の方にはもう何年も使用していないようなホコリかぶったピッチングマシーンも置いてありました。
「歴史を感じるなぁ」「学ラン置いて卒業かよw」等々話も弾み、そのまま帰る流れになりました。
小屋のカギを閉め帰ろうとしたとき、あるチームメイトがずっとグラウンドの方を見つめていました。不思議に思い、私も同じ方向を見てみると、、、
なにやら全身青白い人のようなものが走っているのが見えました。
私は霊感など全くないのですが、恐る恐るそのチームメイトに、「あれさ、なんか走ってない・・・?」と聞くと、「やっぱり?俺だけ見えてるのかと思った・・・。」と。
その会話を聞いたビビりのチームメイトが「うわぁーー」と叫びながら走って逃げていき、それについていくように私たちも帰宅しました。
後日、顧問の先生に小屋にかけてあった学ランについて聞いてみると、
「あぁ、まだあったのか・・・。わかったよ、ありがとう。」と。
気になりつつもそのまま数日が経ち、ある日の練習前に、近くのお寺の方が来られました。訳も分からないまま、部員全員でお祓いを受けました。
お祓いの先には、あの学ランとピッチングマシーンが。
よくよく聞いてみると、10年ほど前に、練習中ピッチングマシーンのボールが頭に当たり、当たり所が悪く亡くなってしまった部員がおられたという話でした。
顧問の先生は、おそらくあの学ランとピッチングマシーンはその当時のものだろうと。
なかなか処分に至れなかった経緯などがあったのかもしれません。
その年、私たちの高校(弱小校でした)は10年ぶりに夏の大会で初戦を突破しました。
奇しくも、その不慮の事故があった年から夏の大会の初戦は1度も勝てていなかったそうです。
私たちが見た、全身青白い人のようなものは、事故で亡くなられた方が練習をされているところだったのかもしれません。
長くなってしまいましたが、私が経験した、人生で一番不思議な話です。