CHIPPOKEブログ

仕事や農業、日々のことを綴っていきたいと思います。

これからの農業

先日仕事で、ある農協さんを訪問した際に、今年の米の出来についてお話してきました。

コシヒカリに関しては、夏場の暑さの影響で、例年よりも品質が良くないそうで、農産物検査をしていても1等がほとんど出ないような状態だとの事でした。

その際に、以前私自身が食べてとても美味しいと感じた海藻アルギットコシヒカリについても少しお話を聞いてみたところ、アルギット米はこの異常な年でもまだ比較的良かった方で、1等は例年よりも少なかったものの、大半は2等にとどまり見た目もきれいだったとの事でした。

このアルギット米は、1等、2等だと加算金というものが付くそうで、それが1俵(60kg)あたり3,000円との事でした。つまり簡単に言うと、仮にコシヒカリの概算金が1俵当たり13,000円だったとすると、アルギットで栽培していればそれが16,000円になるという事です。特別栽培米なので、一般米と比べると栽培に多少制限はあると思いますが、米農家が儲からない今の時代に、1俵あたり3,000円プラスはとても大きいのではないかと感じました。

 

その時お話しさせていただいた方は、「昔のようにこだわってこだわって作っていた時のアルギット米の方が好きだったなぁ。今はそのこだわりがだんだん減っている。」とおっしゃっていました。

しかし、よーく聞いてみると、その減っているこだわりというのは、施肥の体系が分施から一発になったりという部分のことでした。

 

ここでタイトルにつなげるのですが、昔の施肥は分施が基本でしたが、近年、一発肥料というものが登場しました。それまでは何回かに分けて肥料を撒いていたのが、一回で済ませられるようになり、農家さんの労力面では大変楽になったと思います。

今では、一般のお米も一発施肥が主流になっています。肥料もですが、農業界全体でもスマート農業の動きが進んでおり、後継者不足の部分等に少しでもアプローチすべく、労力面の削減が進んでいるように感じます。

私は、スマート農業推進は良いことだと思っているので、特別栽培米の施肥体系が一発になったことは、こだわりの減少とは思いません。

たとえ農業の作業がスマートになっても、農家さんの熱意や農業に対する姿勢は、スマートにはならないはずです。

少しでも良い方向にという農業を愛する人たちの熱意は、これからの農業を良い方向に引っ張ってくれると思っています。